コンピューターで扱うデータやプログラムの総称を、ファイルと言います。
例えば、Word で書いた文章・Excel で作った表・デジタルカメラで撮った写真、
ホームページ・音楽・メールの文章など、全てがファイルです。
Word やExcel 自身もファイルです。これらは、アプリケーションと呼ばれます。
一つのPCの中にあるファイルの数は膨大なものになります。
たくさんの数のファイル、当然それらには種類があります。
ファイルの種類を分類しているもの、それが拡張子です。
「これは何のファイルなのか」 という事は、拡張子によって分類されます。
また「何のアプリケーションで開くのか」といったファイルの性質(属性)も
拡張子によって判別されます。
ファイルの種類は、拡張子によって判別されます。
逆の言い方をすれば、 拡張子を変更するとファイルの種類が変わります。
勝手に拡張子を変えると、
ファイルの種類が変わってしまい、正しく利用できなくなる事があります。
具体的な例を挙げます。 (画面は Windows です)
Word を使って、「テスト」という名前のファイルを作り、保存します。
Word で作ったファイルは、自動的に「W」の付いたアイコンで表示されます。
拡張子は表示されていませんが、このファイルにちゃんと付けられています。
その証拠に、このアイコンをダブルクリックすると、Word が自動的に立ち上がります。
Excel では、絶対に開く事が出来ません。
この「テスト」というファイルは、Word で作られた物であり、Word で開く物である事を
きちんと判別されています。
判別しているのは、見えない拡張子です。
次に、見えない拡張子を見えるようにしてみます。
Windows の標準設定では、拡張子が見えないようになっています。
誤って拡張子を変えてしまって、ファイルが開けなくなる事を防ぐためです。
これを見えるようにするには、Explorer を開いて、
「ツール」 から 「フォルダオプション」 を選択します。
その中にある、
このチェックを外します。
先程の「テスト」というファイルの拡張子も、きちんと表示されます。
後ろに 「 .doc 」 という文字が付きました。これが拡張子です。
拡張子は、ファイル名の後ろに 「 . (ドット) 」 で区切られて付きます。
文字数も 3文字と決められています
doc というのは、Word で作られたファイルに自動的に付く拡張子です。
同様に、Excel ならば 「 xls 」 と決められています。
では、この Word で作った 「テスト」 というファイルを、Excel の拡張子に変えてみます。
拡張子の部分 「doc 」 を、 「xls 」 に直してみます。
すると、
このような警告文が出てきます。
拡張子を変えると、ファイルの種類が変わります。
Word で作った、Word で開くためのファイルを、
無理やり Excel のものに変えようとしています。
変えてしまうと、Word では開けなくなってしまいます。
あえてここでは、「はい」 を選択します。
すると Word で作った文章は、
Excel のアイコンに変わりました。
「 X 」 というマークの付いたアイコンが、Excel のファイルになります。
このファイルは、もう Word のファイルではありません。
その証拠に、ダブルクリックすると Excel が立ち上がります。
拡張子の変更によって、ファイルの種類が変えられたのです。
ちなみに、このファイルをダブルクリックすると Excel が立ち上がりますが、
このような警告文が出て、開く事が出来ません。
Word の文章は、
拡張子を変えただけでは、Excel でそのまま扱う事が出来ません。
拡張子を変更すると、ファイルの種類が変わりますが、
ファイルの中身までは変わりません。
拡張子を変えて、ファイルの種類を Excel のものに変えても、
Excel にとっては 中身がよく分からないのです。
このように、ファイルの種類を変えてしまうと、
そのファイルを開くアプリケーション ( Word 、 Excel 等 ) が変わってしまうだけでなく、
そのファイルを正しく開く事が出来なくなってしまいます。
このため、Windows では 標準の状態では拡張子を見せないようにしているのです。
この開けなくなったファイル 「テスト」 は、今の逆の手順で
拡張子を 「doc 」 に戻せば きちんとWord で開く事が出来ます。
ちゃんと Word が立ち上がって、文章も保存時のままです。
種類を一時的に変更しましたが、中身は全く変更していないからです。
拡張子について まとめると、
拡張子は ファイルの種類を表す |
拡張子は ファイル名の後ろに 「 . 」 で区切られて付く |
拡張子は 3文字 ( もしくは 4文字 ) |
拡張子は 変更することが出来る |
このような性質があります。
誤って変更するとファイルが使えなくなってしまいますし、
標準の状態では 表示されないようになっています。
しかし、この拡張子に対する理解は重要です。
また、拡張子をあえて変更する必要はありませんが、表示する必要はあります。
それは ウィルスの危険を回避するためでもあります。
拡張子の種類は多数あります。
先程の 「 doc 」 「 xls 」 の他には、主に次のようなものがあります。
拡張子 |
内容 |
主な呼ばれ方 |
exe |
プログラムファイル 実行ファイル |
エグゼ |
jpg |
画像ファイル デジカメの写真等 |
ジェーペグ |
bmp |
画像ファイル ペイントで作った画像等 |
ビットマップ |
gif |
画像ファイル HPに使われる画像等 |
ジフ |
avi |
マルチメディア(動画等)ファイル |
エーブイアイ |
mpg |
マルチメディア(動画等)ファイル |
エムペグ |
htm (html) |
インターネットファイル |
エイチティーエムエル |
txt |
文章(テキスト)ファイル |
テキスト |
その他にも、書ききれないほどの数の拡張子があります。
これらをすべて覚える必要は全くありません。
呼ばれ方なども、個人差がありますので統一されていません。
絶対に覚えておく必要があるのは、たった一つ、 「 exe ( エグゼ) 」 ファイルです。
exe ファイル というのは、プログラム本体の事です。
例えば、
Word の正体は winword.exe というファイルです。
Excel は excel.exe 、
Outlook Express は msimn.exe というファイルです。
私達がPCを使って何か作業する時、
必ず exe と付く、プログラムファイルを実行しています。
exe と付くファイルは、プログラムそのものであるため、
かなりいろんな事が出来ます。
ウィルスの種類も多数あり、その活動も目的も多数ありますが、
exe ファイルのプログラムはかなり危険で、さらにかなり数が多いです。
ウィルスデータベースに、 「 exe 」 と入力して検索してみて下さい。
拡張子に exe が付くウィルスが山ほど出てきます。
見知らぬアドレスから届いたメールに exe ファイルが添付されていたら、
真っ先に削除すべきです。
セキュリティソフト本体ですら、exe ファイルで出来ています。
exe と付くファイルは 「ほとんど何でも出来る」 と言っても過言ではありません。
それだけに、exe ファイルのウィルスは 危険なのです。
拡張子を表示させれば、exe ファイルである事を表示させる事が出来ます。
拡張子は必ず表示するようにして下さい。